コロナ禍によってテレワークが普及しましたが、さまざまな課題があり導入に踏み切れていない企業も少なからずあります。テレワーク導入によって、どのような課題が生まれているのでしょうか。
本記事では、テレワーク導入の課題や解決するためのポイント、成功事例などを紹介します。また、導入すべき企業の特徴についても触れるため、ぜひ参考にしてみてください。
テレワークとは
テレワークとは、IT技術を活用して場所や時間にとらわれない働き方をすることを指します。従来出社して作業していた業務も、個人使用できるパソコンのスペックが向上したことから、自宅でも仕事ができるようになりました。その背景もあり、テレワークが普及しました。
また、2018年7月6日に発布された「働き方改革関連法」公布の影響で、テレワークを導入している企業が一層増えたことも事実です。
テレワークを導入するメリット
企業においては、テレワークの導入が期待されていますが、テレワーク導入におけるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つのメリットについて紹介します。
ワークライフバランスを充実させられる
従業員のワークライフバランスを改善する要因として、テレワークが導入されています。首都圏の通勤時間の平均は50分と言われており、総務省統計局の社会生活基本調査によれば、全国の平均通勤時間は往復1時間19分という事実があります。
この分の通勤時間が浮かせられるため、従業員においては、1日あたり約1時間の自由時間を確保できます。結果として、ワークライフバランスの充実につながるでしょう。
感染症のリスクを抑えられる
新型コロナウィルス感染拡大によって、「コロナに感染するのでは」という不安が増えました。そのため、従来の働き方ができないと考えている従業員の方も少なくないでしょう。
しかし、テレワークであれば外に出る必要がないため、感染リスクは最小限に抑えられます。出社が厳しいという従業員にも安心して業務を任せられます。
加えて、従業員の健康管理にもつながり、ホワイトカラーの企業という印象を社会全体に与えられる点もメリットです。
生産性を向上させられる
テレワークを導入したことで、「かえって個人の仕事に打ち込めるようになった」という方が多いです。オフィスでは不意に声をかけられて、意図しないタイミングで集中が途切れたり、自分以外の仕事を任されたりなどの問題が生じます。
しかし、テレワークではそのような問題を考えなくてよいため、自分の作業に没頭できるでしょう。
また、出社して印刷するなどの業務がなくなるため、全体の業務量の削減や業務効率化も期待できます。
テレワークを導入する際の課題
テレワークを導入する際、生じる課題は事前に把握しておきたいところです。ここでは、よくあるテレワーク導入時の課題について紹介します。
生産性が下がる
テレワークの導入によって、対面よりもコミュニケーションが取りづらくなります。作業進捗がすぐに確認できなかったり、業務の疑問点を質問できなかったりという問題が生じることもあるでしょう。
もちろん、テレワークを数ヶ月続ければ元よりも生産性を高めることが可能ですが、導入時の生産性低下を懸念している企業も少なくありません。
セキュリティが弱まる
テレワーク推進によって、カフェなど自宅以外で作業をする人もいるでしょう。そのような場合、問題視されるのは情報漏洩やウィルスによる感染、不正アクセスなどです。
特に、社外秘のデータなどは漏洩したときのリスクが大きいです。テレワークを導入する際、セキュリティに関する対策を講じる必要があります。
うまく運用できるのか不安
システム・ツールが企業の肌に合わず、うまく運用できないケースを懸念してテレワーク導入に踏み切らない企業もあります。
また、うまく導入まで進んだとしても、従業員がテレワークに対応できない場合もあります。これまでの管理体制が通用しなくなってしまうことは、テレワーク導入の最も大きな課題のひとつといえるでしょう。
テレワーク導入の課題を解決するためのポイント
テレワーク導入における課題を解決するために、知っておきたいポイントがあります。ここでは4つのポイントについて紹介します。
テレワーク用のクラウドサービスを活用する
テレワークを導入する場合、クラウドで会社の業務を管理できるサービスを取り入れるのがおすすめです。具体的にはプロジェクト管理ツールやオンラインストレージ、グループウェアなどのツールを活用し、テレワーク環境に取り入れることで、新しく発生する業務にも対応できます。
また、勤怠管理システムやログ管理システムなどの従業員を管理するシステムの導入も必須となっています。
コミュニケーションツールを導入する
チームで作業する場合、テレワークではコミュニケーションが取りづらい傾向にあります。そのため、Web会議システムやビジネスチャットなどを導入するのがよいでしょう。これらのツールを使用することで、従来と同様もしくは従来以上の業務効率を生み出すことができます。
コミュニケーションツールにはさまざまなものが用意されていますが、最適なツールを活用することで、今までよりも便利に業務をこなせるようになるはずです。
テレワークと出社を使い分ける
テレワーク導入を検討する際、全ての業務をテレワークに移行しようと考えがちです。しかし、全ての業務をテレワークで行う必要がないことは把握しておきましょう。
例えば、従業員数が少ない企業においては、月に何度か対面ミーティングを取り入れるなどもよいでしょう。そのほかにも、テレワークに向いていない業務はオフィスで行うなど、テレワークと対面をバランスよく取り入れる対策が重要です。
人事評価基準を変える
テレワークでは従業員の労働環境を把握しづらいため、人事評価を下しづらいです。実際に、厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」では、人事評価において注意点が挙げられています。
詳しくは以下でもご覧いただけますが、従来の人事評価基準は見直す必要があるといえるでしょう。
参考:「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」

テレワークを導入した成功事例
ここでは、テレワークを導入して成功した事例を3つ紹介します。
大同生命保険株式会社の事例
大同生命保険株式会社では、在宅勤務用パソコン、タブレットに自動シャットダウン機能を搭載しました。その結果、残業時間を24%減少させられるなどのメリットがあったようです。
マイクロソフトの事例
マイクロソフトでは、オフィス以外で働くための一括ツールを提供しています。これらのツールにはテレワークのルールなどもまとめられており、読むだけでテレワークを安全に便利に使えるようになります。
結果として従業員の満足度も上がったようです。
Dellの事例
Dellでは、テレワーク推進により従業員の25%が完全リモート勤務を始めました。オフィスコスト削減や通勤コスト削減につながり、企業にとっても業務効率化が進んだようです。
現在、Dellが提供している自社ツールは、同社からパッケージ販売されています。
テレワークを導入すべき企業の特徴
最後に、テレワークを導入すべき企業の特徴を2つ紹介します。
h3:コストを削減したいと考えている企業
コストを削減して利益を増やしたいと考えている企業は、テレワーク推進がおすすめです。ツールを導入することで印刷コストや出社時の費用などを削減でき、利益率改善につながります。
社内コミュニケーションを円滑に進めたい企業
テレワークを導入することで、社内コミュニケーションを円滑に進められるケースもあります。もちろん、導入してしばらくは環境を整えるのに時間がかかりますが、徐々にコミュニケーションを円滑に図れる体制が整うでしょう。
まとめ
本記事では、テレワーク導入の課題や解決するためのポイント、成功事例、導入すべき企業の特徴を紹介しました。テレワークを導入することで、課題が生まれるのは事実です。しかし、企業内で対策を講じながら積極的に取り入れることで利益率UPなどのメリットがあります。ぜひ、本記事の内容をもとにテレワーク導入を進めてみてください。
テレワークを推進・導入する企業は増えてきました。東京都の調査によると都内企業ではテレワーク実施率が56.4%となり、従業員数300名以上の企業では73.2%と高い水準となっています。
企業単位ではテレワークが進む一方で、部署単位では総務・経理などのバックオフィス関連は「交代制で週1日以上出社している」と回答した方が62.4%と今だに出社率が高いことが分かります。
最も出社の要因となっているのが「郵便物の対応」です。弊社が運営するクラウド郵便「atena」は郵便物のための出社をなくし自宅などからメールのように郵便物を確認できるクラウド郵便サービスです。
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引用:【2022年・まん延防止期間】テレワーク実施率含む働き方に関する調査結果(東京都内勤務の正社員対象)|株式会社N-Technologiesのプレスリリース