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DX銘柄とは?経済産業省が推進するデジタル経営の最前線と注目企業

「DX銘柄」とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定している、デジタル技術を活用して企業価値の向上に取り組んでいる上場企業のことです。DXが企業の生き残りを左右するとまで言われる現代において、DX銘柄に選定されることは投資家や採用市場からの大きな注目を集めます。本記事では、DX銘柄の基本的な仕組みから2024年度の選定基準、認定企業の具体的な取り組み事例までをわかりやすく解説します。今後の企業経営やDX推進に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

DX銘柄の概要

DX銘柄は、経済産業省東京証券取引所が共同で、デジタル技術を活用してビジネスモデルや企業文化の変革を進める上場企業を選定する取り組みです。選定対象となるのは、東京証券取引所に上場しており、かつ「DX認定(経済産業省が定めるDX認定制度)」を取得している企業です。

DX銘柄を選定する理由

  • 日本企業全体のデジタルトランスフォーメーションを促進

  • 投資家に対してデジタル時代に強い企業を「見える化」する

  • 優れた取り組みをロールモデルとして広く共有する

さらに詳しい情報は、経済産業省の公式ページをご確認ください。

DX銘柄の位置付け

DX銘柄は大きく以下の枠組みに分かれ、企業のDX推進度や社会的インパクトに応じて区分されています。

  1. DXグランプリ企業

    • DX銘柄の中でも特に先進的かつ成果が顕著な企業に付与

    • 経営戦略とデジタル活用を高度に融合させ、業界をリードしている事例が多い

  2. DXプラチナ企業

    • 中長期的にDXを推進し続け、複数年度にわたって優れた取り組みを継続する企業

    • 3年間の継続的評価対象となっており、企業文化や業務プロセスにDXが根付いている点が評価される

  3. DX注目企業

    • DX銘柄に選定はされなかったものの、DX推進に向けて注目すべき取り組みを行っている企業

    • 今後の成長性やDX成果が期待される企業として位置付けられる

△経済産業省Webサイトより

設定背景

日本政府は企業価値の向上と経済活性化を目指し、戦略的なIT利活用を促進するために多くの施策を打ち出しています。中でもDX銘柄は、経営者の意識改革を重要視する仕組みとして位置づけられています。

  • 戦略的IT利活用促進の一環
    企業がデジタル技術を経営戦略に取り入れることで、新たなビジネスモデルの創出や業務効率化を促す。

  • 企業価値向上のためのDX推進
    投資家やステークホルダーからの評価を高め、長期的に持続可能な成長を目指す。

  • 経営者の意識改革
    DXはIT部門だけでなく、経営トップのコミットメントが重要。DX銘柄に選ばれることで経営者の意識も高まる。

より詳しくは、「DX銘柄2024 選定企業レポート」をご参照ください。

2024年度の選定基準

△経済産業省「DX銘柄2024 選定企業レポート」より

対象企業の条件

  1. 東京証券取引所に上場

  2. DX調査への回答(経済産業省が実施するアンケートやデータ提出)

  3. DX認定の取得(経産省の定めるDX認定制度をクリアしていること)

選定プロセス

  1. 一次評価

    • デジタルガバナンス・コード2.0の(3)「取組例」に対して、どの程度戦略的かつ実行力をもって臨んでいるかを評価。

    • 組織体制や予算・人材など、DX推進の基盤となる要素が整備されているかを重点的に見る。

  2. 二次評価

    • デジタルガバナンス・コード2.0の(2)「望ましい方向性」に沿って、企業が具体的に価値創出やビジネス変革を実現しているかを評価。

    • 先進的な技術活用だけでなく、事業成果や経営ビジョンとの整合性が重視される。

  3. 最終選考

    • 一次評価・二次評価の結果を総合的に判断し、DX銘柄としてふさわしい企業を決定。DXグランプリ企業やDXプラチナ企業など、区分ごとに認定される。

認定のメリット

  1. 投資家からの評価向上

    • DX銘柄に選定されることで、成長性や将来性を重視する投資家へのアピールとなり、株価へのプラス評価が期待できる。

  2. 人材採用力の強化

    • デジタル人材の確保が困難とされる中、「DX銘柄に選ばれている」という事実は魅力的なブランドとなり、IT人材や先端技術に関心の高い人材を惹きつけやすくなる。

  3. DX推進の加速

    • 社内外での認知度が高まり、DX関連のプロジェクトや投資への社内合意が得やすくなる。

  4. 長期的な競争力の向上

    • DXは一過性の流行ではなく、長期的に経営に浸透させる必要がある。選定を機に継続的な改革が促進される。そしてDXによってビジネスプロセスの効率化や顧客体験の向上が中長期的に行われることで、長期的な競争力の向上につながる。

2025年の選定企業

DXグランプリ企業2025

△経済産業省Webサイトより

DX銘柄2025

△経済産業省Webサイトより

DX注目企業2025

△経済産業省Webサイトより

DXプラチナ企業

△経済産業省Webサイトより

2024年度の取り組み事例

LIXIL

取り組み

  • デジタルショールーム:オンラインで製品を確認できるサービスを展開し、顧客体験を向上。

  • ノーコードツール活用による自律的DX:社内の業務改革を社員自らが推進できるよう、ノーコードプラットフォームを導入。

成果

  • CXの向上
  • 成約率や成約スピードの向上
  • より従業員が仕事と家庭の両立をしやすくなる

ニチレイ

取り組み

  • DX研修の実施:全社的なデジタルリテラシー向上を図る。

  • RPA活用:反復業務の自動化により、人材の付加価値向上を目指す。

  • AIによる製造の最適化:食品加工の歩留まり向上や品質管理にAIを活用。

成果

  • 40万時間の作業を自動化
  • 定型的な業務に費やされていた時間を付加価値を創出する時間へ

まとめ

DX銘柄は、企業のデジタルトランスフォーメーションに対する姿勢と実績を示す重要な指標です。上場企業が対象であり、DX認定を取得していることが大きな前提となります。2024年度の選定では「デジタルガバナンス・コード2.0」を基盤にした厳密な評価が行われ、DXグランプリ企業・DXプラチナ企業・DX注目企業など、複数の枠組みで表彰が行われます。認定を受けることで投資家からの信頼度向上や人材確保など多くのメリットを享受できるため、DX銘柄は企業にとって重要な目標となっています。

デジタル技術を活用して企業価値を高める取り組みは、あらゆる業界で今後ますます重要になるでしょう。DX推進にあたっては、顧客体験の向上や業務効率化、ビジネスモデル革新だけでなく、新たなコミュニケーション手段の活用も欠かせません。

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